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この他、子育て相談を受けるにあたって心がけていることについては、以下のような傾向になっています。

まず、電話相談では相手の話を聞くようにしているとの回答が多く、受容姿勢を基本に取り組んでいる状況が理解されます。一方面接相談においては、相手の話に十分耳を傾けるだけでなく、直接会って話ができることや他の子どもの様子を見ながら相談ができるなどの利点を生かした相談が行われているケースが多く、保育所の持つ特性を心がけている点がこれらの回答から知ることかできます。

最後に、子育て相談の実施を通してはいくつかの問題点が指摘されていますが、そのうち、例えば依頼者が抱えている子育て上の悩みや不安が複雑化しているために、相談員の資質の向上を図る必要性の指摘もそのひとつです。また、必要に応じて専門機関との連携や情報交換の重要性に加え、それをどのように進めていけばよいのかなどが実際上の問題として示されています。さらに、相談に要する予算措置や行政の取り組みが急がれるとの指摘も一部に見られるなど、なお解決しなければならない課題も少なくないことがこの調査によりある程度明らかになっています。

 

以上のように、現在地域子育て支援センター事業を実施している保育所を対象としたこの「子育て相談に関する調査」により、その実施状況と課題などが一部明らかになりましたが、今後も保育所の子育て相談への期待は大きいことから、これらの調査結果を踏まえ、より充実した子育て相談への取り組みが、相談にかかわる者すべてに求められていると言えるでしょう。

 

 

 

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