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気配りの良すぎる両親が、すべて先まわりをして子どもが喜びそうなことを用意してしまうと、積極的に意思表示をする場面が無くなりますので段々無気力になりがちです。

そこでその子のやる気のない原因を聞いた上で、保育園では叱咤激励はせず、その子が自分から動き出すまで温かな気持で見守ります。そして何か一つ始めたらおおいにほめます。

 

(55) 落ち着きがない

身体に異常がなく、心配事や不安もなく、空腹でもない上に安心して過ごせる場所にいるなら、人間は誰でも落ち着いて過ごせることでしょう。そうした条件の下にあっても幼児は好奇心旺盛なので、ひとつの遊びに飽きればすぐに動き出す存在です。

小さな子どもが大人の指示に従っていつもお行儀良くしているのは不自然です。常に動きまわっているように見える3歳末満の子でも、興味のあるもの(人や動物も含めて)には凝視するような動作でじっと見たりします。3歳を過ぎて何に対してもあまり関心を示さず、うろうろしている場合や、保育者が手助けしても遊ぼうとしないときは発達に偏りがあるかもしれません。その子の乳児検診や3歳児検診などの時の様子を聞き、場合によっては専門機関を紹介してあげる必要もあります。

 

 

 

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