(52) いじめられる
大人しくて自己主張の少ない子は、友だちに何かされても反発しないため、いじめられているように見えます。そして帰宅後「○○ちゃんがいじめた……」という我が子の訴えにびっくりしたお母さんから苦情の申し出があったりします。でもこれは目下世間で騒がれているいじめとは必ずしも結びつかないと思います。
家庭で大事にされ過ぎ、何もかも大人にやってもらって生活してきた子は、幼児集団の中では途方に暮れてしまっているのです。こうしたタイプの子には、その子に合った遊び相手を保育者が見つけ、一緒に遊びながらつき合い方を教えていきます。またその子が持っている良さを他の子どもに伝えたり、目の前でほめたりして、自信が持てるように働きかけをします。また性格の強い特定の子について言うがままに動いているようでも、その強い子の魅力に憧れての行動であったりするので、「いじめ」ではないこともあります。
(53) いじめる
麻疹が治って10日ぶりに登園したA男(1歳3ヶ月)を、B男(1歳5ヶ月)が出迎えるように歩み寄り、顔を覗き込んでにこにこ笑いかける光景を眼にしました。