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かなえられない理由、我慢すること、人への迷惑や社会のルールなどをゆっくりと言い聞かせて、子どもの反応を静かに待ちます。年齢によっては一人にして落ち着くのを待ったり、泣きやまない時には黙って、抱いてあげたり背中をそっと撫でていてもよいでしょう。

泣いてわめくなど、不快を全身で表している時には周りからの言葉は耳に入りません。落ち着いてからゆっくり子どもの気持ちを聞きながら、言い聞かせます。

外に出られない、思う存分に遊べない、きちんと答えてもらえないなどの心のイライラが、わがままな態度にさせる場合もあります。

 

(43) 強情

固く口を結び、膝を抱えてじっと座り込んで言葉掛けにも答えてくれない子。

「自分をわかってもらえていない」「信じてくれない」「違うんだ」と懸命に訴えて、まだ自分でも葛藤の時間なのでしょう。

一生懸命しても喜んでもらえない認めてもらえない、話も聞いてもらえず頭ごなしに決め付けられて欲求不満がくすぶっている心は怒りや悲しみ、不平不満で一杯です。周りからの言葉も素直に受け入れることはできません。

自分の思いをしっかりと持つ事は大切。「〜すると〜なるのでは、どうする?」と子どもの気持ちに沿って話を進めたり、それが自分だけの思いでなく周りの人にもわかってもらったり、また人の思いも知る大切な関わりの時間です。

ゆっくりと話し合い、かたくなになった心を大人が理解し、認め、共感できると、子どもの心が解けていくのは早いです。

 

 

 

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