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例えば、ある母親から「今通わせている保育園では、お昼寝でうつぶせ寝にさせられていますが、昨日のテレビのニュースで危険だと言っていました。どうなんでしょう」という相談がありましたが、相談を受けた者はそのニュースを知らなかったために、返答に因ったということです。また、近年問題化されてきている環境汚染も決して育児にかかわる者として無関心ではいられません。「母乳からダイオキシンが………」という新聞の記事を読んだ多くの親から「心配だ」「どれくらい危険なのか」などの問い合わせが連日電話相談にかかってきたそうです。

このような相談や問い合わせに対応していくために、相談員は育児に関する知識はもちろん、最新の社会や子どもに関する情報には敏感でいたいものです。そのためには、新聞や雑誌、テレビなどのマス・メディアを通して正確な情報や知識を適宜選択する力が必要になります。すなわち、さまざまな情報をただ無差別に知っていればよいのではなく、どれが大切であるのかを常に頭に置いて取捨選択し、自分のものとしていきます。

また、こうしたマス・メディアだけでなく、各種の研究大会・研修会への参加や専門誌の購読などを通じて、最新の情報を学んでいく姿勢も求められています。言い換えると、育児に関する情報の収集はできるだけ多方面への興味や関心をもって行われるのが望ましいと思われます。

今後、保育園の育児相談がさらに普及していくなかで、相談を受ける者は最新で、そして正確な育児についての知識や情報によって、相談が円滑に進められるように心がける必要があります。また同時に、そうして得られた情報を相談の場面でどう生かしていくのかなど、実際面に結びつけた対応の仕方を考えておくようにしたいものです。

 

 

 

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