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それは相談員自身の記録でもありますが、その後の相談や助言に生かすための重要な記録になるからです。また、それは相談技術を高めるための事例研究や相談内容全般の傾向を知る上で貴重な資料になりますから、正確に記入するようにしましょう。なお、この相談票の取扱については、きちんと管理をする必要があります。すなわら、相談員には依頼者のプライバシーを守る義務がありますから、記入された相談票が外部にもれないように十分配慮することが求められるからです。また、相談上必要な場合に限って速やかに閲覧できるように、相談票の収納・分類・管理には工夫を要します。

以上のように、保育園での育児相談では相談票が相談の主訴を的確に理解する手だてになるばかりでなく、その後の相談上の参考資料になりますから努めて作成するようにし、相談内容が外にもれないように相談員一人ひとりが十分気をつける必要があります。また、保育園全体による管理体制の整備も合わせて行われることが期待されます。

 

(15) 新しい情報には敏感に

今日ほど育児に関する情報が氾濫している時代も珍しいのではないでしょうか。核家族化と子育て経験の少ない親が大多数を占めるようになった現在では、育児情報はますます重要性を増しています。

このような情報化社会にあって、相談に来るなかには育児などについてかなりの知識や情報をもっていたり、強い関心のある依頼者が少なくありません。特に育児にかかわるできごとや社会的に注目されるような話題については、よく知っていることがあります。保育園にあげる育児相談においてこうした依頼者を相手に相談を受ける機会がこれから増えてくるかもしれませんから、相談員としてはそうした対応も考えていく必要があります。

 

 

 

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