また、子どものしつけについて深刻に悩んでいた母親のケースでは、特に相談後の対応が大きな支えになっている場合が少なくありません。例えば、
「子どものしつけについて、近くに住んでいる祖父母と意見が合わず、最近ではそのことでイライラがすることが多く、つい子どもや夫にあたってしまいます。もっとしっかりしなければと思えば思うほど、イライラが増して精神的に常に不安定になっています」
という内容の相談では、相談員は相談後も機会があるごとにこの母親を受け入れるようにし、話を聞いたり励ましていくなどの援助を継続させた結果、少しずつ安定した子育てができるようになったそうです。
このように、保育園での育児相談は、相談の終了後の継続した相談やそれへの具体的な対応が、他の相談機関に比べてとりやすいといった特性があります。相談の内容にもよりますが、相談を受ける者はこうした保育園の特性を生かした相談を積極的に進めていくようにします。
なお、相談の過程については必ず、毎回相談の記録をつけて、依頼者の対応に生かすようにしましょう。形式はさまざまですが、少なくとも相談の主訴や相談の経緯、助言内容が詳しく記入できて、内容がわかるような書式であることが望ましいでしょう。
育児相談は、一回限りで終わるケースから何度も継続されるケースまでありますが、あくまでその後の対応にも十分な配慮をする必要があることを忘れないでほしいものです。
また、相談をさらに実りあるものにしていくためにも、相談後のフォローを心がけていくことが相談を受ける者には大切になります。