言い換えると、他の専門機関を依頼者に紹介する必要がある場合には、その旨よく説明をして、依頼者の理解が得られるように努めることです。そのためには、周辺にある専門機関の所在や特性、相談できる内容などについて相談員はよく知っておく必要があります。さらに、そうした関連の機関と連絡や連携がとれるような「関係づくり」を進めておくことも大切でしよう。
今日、保育園以外で育児相談ができる専門機関としては、福祉関連では児童相談所や家庭児童相談室が、また子どもの発育・発達や病気に関する相談などは病院や保健所などがその代表的な機関です。また、地域によっては研究所や教育機関などでも相談事業を行っているところがありますので、相談を受ける者としては熟知しておくとよいでしょう。
(13) 相談後の援助を大切に
通常、相談は依頼者から終了後連絡がない場合は特別な場合を除いて相談員の側からコンタクトをとることはほとんどありません。しかしなから保育園で行われている育児相談では、相談後も依頼者の相談や助言など必要と思われる援助を行う場合がよくあります。例えば、依頼者の子どもが在園しているような場合は、特にそうした対応がとりやすいという理由もあります。
ことばの遅れを心配して相談に来た母親に対して相談を受けた園長は、その子どもが在園児であったことや、担任から普段の様子を聞くことができたことなどから、「もう少し様子を見てみましょう」という結論になり、その後の保育を通して観察しながら、適切な援助をしていくことになりました。