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例えば、ある保育園で育児相談を行うようになりましたが、相談の時間を特に設定していなかったため、次々に持ち込まれる相談が多くて対応できなくなった例があります。また、同じようにいつまでも依頼者の話を聞いていたら、相談の内容がわからなくなり、中途半端なかたちで終わってしまった例を耳にしたことがあります。これでは、相談を受けたことにはなりません。

それでは、相談の時間はどれくらいが適当といえるでしょうか。このことについては意見の分かれるところですが、面接の場合、通常は30分から1時間以内がひとつのメドと考えられます。もちろん、依頼者の状況や相談の内容さらには保育園の受け入れ環境によって、柔軟に対応する必要があります。ですから、この数字はあくまでも目安と考えて欲しいのですが、しかしながら先にも述べましたように、依頼者の話を言うがままにいつまでも聞いていればよいというのではなく、また時間をかければよいというのでもないということを相談を受ける者はぜひ心にとめておく必要があります。

そのためには、まず第一に依頼者の相談にあたっては話を整理しながら、重要な点を聞き逃さないように常に注意を払いながら進めていく姿勢が相談員には求められます。またこちらからたずねる場合には、内容を確かめる程度にとどめて、話が必要以上に長くならないように気をつけることも大切になります。普段から依頼者をよく知っている、あるいはよく話をする間柄では、ついいつものような調子で話が長くなることがありますが、面接などでは決められた時間を一応の目安に相談をするように心がける必要があります。

 

 

 

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