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今回の場合、「これからは子どもがわがままを言ったときには、すぐに怒るのではなく様子を見てできるだけ話してわからせるようにしたい」との依頼者の意向を相談員は尊重し、そうするように励ました結果、子どもの態度に変化が見られるようになったそうです。この時点でこの依頼者は自らが変わることで子どもが変わったことに気づき、子どもへの接し方を学んだと語っています。

このように、依頼者の成長を見守り、援助する育児相談が相談員の役割になります。

 

(11) 相談は決められた時間内で

相談を進めていく過程をみると、それぞれの保育園で異なるのが普通です。また相談を受ける者も基本的な部分では同じでもその対応の仕方が違っていることがよくあります。この相談の時間についても、まったく規定していない保育園もあれば、ある程度時間を決めて相談を受けている園も見られます。したがって、どちらかよいとは一概に言えませんが、相談というプロセスを考えると、ある一定の時間を設定する必要があります。もし仮に、相談の時間が決められていないと、どうしても話が長くなって、問題の所在が明確にならないことがよくあります(もちろん相談によっては話を聞くだけで、依頼者が満足して終わる場合がありますが)。しかしながら、そうした相談は別として多くは聞いてもらうだけでなく、何らかの助言や解決に向けての方法を知りたいと願う依頼者かほとんどですから、ある程度相談の時間は決めておく方が内容のある相談になるのではないでしょうか。

 

 

 

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