したがってここで、相談員が「お子さんは絶対にこの学校がいいですよ」といった言い方は避けるべきで、あくまでも客観的に事実を相手に伝えながら、依頼者自らの判断で解決できるように支えていく姿勢がこうした場合重要になります。
このように、相談を受ける側は依頼者の悩みや不安を全面的に受け入れ、その相談の内容に沿って話に目を傾けて、より望ましい解決に向けての助言や提案を行いますが、それは依頼者自身で「こうしよう」と判断できるように、また判断した結論を尊重して、励まし、支えていくようにすることが大きな役割と言えます。ですから、相談の過程では依頼者の置かれている状況や実際に取り組める、現実的な方法を示してあげるようにすることも依頼者自身による判断を助ける要素になります。
なお、相談のなかで依頼者がなかなか納得できず、判断に苦しんでいるような場合は、改めて時間をかけてよく話し合うのもひとつの方法と言えます。いずれにしても、相談を受ける者には依頼者自らによる判断を尊重する姿勢を忘れてはならないでしよう。
(10) 依頼者の成長を見守るように
育児についてさまざまな悩みや不安を抱える依頼者のなかには、どうしてよいのかわからず困惑していたり、自分ではなかなか判断できないで悩んでいる場合が少なくありません。一方相談を受けてその対応にあたる相談員は、そうした状況に追い込まれている依頼者に対して、つい結論を先に話したり、話をよく聞かないうちに自らの経験による解決策をアドバイスすることがよくあります。