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(5) 相手の欠点や失敗を指摘しないように

相談にあたっては、相談の依頼者の話をよく聞いて話を理解し、解決に向けて一緒に考えていく方法が基本になりますが、その際注意したい点に「相手の欠点や失敗ばかりを指摘する」ような態度は慎むということがあります。

例えば、子どもの偏食がひどいことを心配して相談に来た親が「子どもにねだられると、つい好きなものを与えてしまうんです」と理由を言うと、相談員はすかさず「そんなやり方ではだめ。あなたのしつけに問題があるのでは」と応え、さらにこれまでの食事のやり方についても「何もできていない」と言わんばかりに、相手の欠点や失敗にも触れて、非難したケースがあります。こうした場合の依頼者の気持はどうでしょうか。「よくわかりました。ありがとうございました」と心から納得するでしょうか。おそらく、そうはならないと思います。

子を持つ親は誰でも、子どもが明るく元気で、丈夫に育ってほしいと願いながら懸命に子育てをしています。しかしながら、他方では人は何らかの欠点を持っていますし、失敗もあるのが普通です。したがって、子どもを生み育てる過程の中での失敗は「つきもの」と言えます。そうしたことを考えると、相談に来る依頼者に対して相談を受ける者は、相手の欠点がよくわかっていても、そのことを口にしたりするのは好ましくありません。

 

 

 

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