それに対し、相談員のなかには「そのようにできないのでしたら、仕方ありませんね」とか「ご自分で考えて下さい」といったことばで相談を終えてしまう場合があります。これでは相談を受けたことにはなりません。例え、依頼者が納得しないからといって相手を見放したような態度はよくありません。こうした場合、できるだけ相手が納得できるように話を工夫したり、話し方に気をつけて相談に応ずるように努めます。例えば、なかなか依頼者が納得していないようでしたら「この問題の原因は〜と考えられますから、このようにしてみてはどうでしょう。きっと〜になると思いますよ」と、相手の理解や納得を引き出すように話し、より具体的にその進め方を話すようにすることがこうしたケースでは求められます。また同時に、相手を励ますことばも忘れてはいけません。
このように、相談を進めていくには、知識や経験だけではない、相手とのやりとりのなかで必要になる工夫や方法をよく考えて、依頼者が全面的に納得するあるいは理解できる相談のあり方を常に心がけるようにしたいものです。そのためには、依頼者を「ありのままに」受け入れ、尊重するという基本原則を忘れてはならないでしょう。
(4) 形式より「できる」方法を
相談を受けてそれに応えるときには、わかりやすく、相手の納得のいく方法で行うことが原則になりますが、その際形式的な方法はできるだけ避けるようにします。例えば、
「夫(父親)の子どもに対する態度が心配です。以前は私(母親)の見ていないところで叩いたりしていましたが、最近は少しのことでもすぐ子どもを叩くようになり、気にいらないときは蹴飛ばすこともあります。