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(3) 否定したことばや突き放した対応は禁物

保育園で相談を受ける者のなかには知識や経験が豊かで、話も上手な相談員がいます。しかしこれまで相談を依頼した人たちの評判はあまりよくない場合があります。その原因のひとつに相談員の話し方や態度が考えられます。

どんなに多くの知識や経験があっても、それを相談に来る依頼者にわかりやすく、納得できるように話を伝えることが大切であると先に指摘しましたが、相談を進めていく上でさらに必要な事柄があります。それは相談の依頼者の話を十分に聞かずに「それはよくないですね」とか「そんなことをしたらだめですよ」といったように、相手の話を否定する話し方は望ましくないということです。子どもの「食べる量が少ない」という悩みをもつ母親の相談に対し「間食をさせるからだめなんですよ」と話のはじめから相手の対応を否定する言い方やことばでは、依頼者自身そのことがわかっていても何か自分のやり方が否定されたように感じて心を閉ざしたり、話がそれ以上進まなくなることが考えられます。

また、相談員のなかには相談の回数が増えると「こういう相談は〜すれば」とか「こんな場合は〜すべき」と、ある程度その解決に向けての考えや方法がわかるようになります。そのため、相談に来た依頼者の話を聞いている間に、「この相談はこのことが原因のようだから〜すれば」と伝えますが、それまでの相談の過程が十分でなく、あるいは理解されていない場合、依頼者はさらに不安そうになったり、納得できない表情を示す者も見られます。

 

 

 

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