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次にそれと関連して、依頼者の表情や言動がわかるため、対応がしやすいということも面接相談の特長と言えます。そのため依頼者との信頼関係を築く上で、電話より容易な面があるなどが考えられますが、この面接相談を進めていく上で相談員が留意すべき点もあります。

まず第一に、直接面接するため、相談員は表情やことば使いなど受容姿勢に十分気をつける必要があります。そのためには依頼者を全面的に受け入れる心がまえが相談を受ける者に求められます。また、面接相談では場所と時間が設定されている場合が多いので、依頼者側に普段にない緊張感や違和感が起こりやすく、場合によっては率直な相談ができにくくなることがあります。そうした依頼者に対して、例えばことばかけや表情などに配慮し、心を開いて話ができる雰囲気をつくるようにすべきです。さらに悩みや不安を抱える依頼者に対して相談員は依頼者の話を聞き、適切な対応をすることが相互の信頼感につながり、相談そのものを成立させますから、相談の過程においては依頼者との話し合いにすべてを傾注して、誠意ある対応をするように努めなければなりません。それが不十分の場合には、結果として問題の解決が遅れたり、あいまいなままで終わり、双方に不信感や不満感が残ってしまうことが少なくないからです。

このように、面接による相談では電話による場合とは異なり、相談上いくつかの特長がありますから、その点を十分踏まえた対応を相談員は心がける必要があります。なお、保育園で行なわれる育児相談で内容的に専門性を要するような、例えば医療や保健に関連するものや、家族・家庭問題のうち福祉の領域を必要とするケースなどでは、速やかに他の専門の相談機関、例えば病院や保健所、児童相談所、福祉事務所などを紹介・斡旋するのが望ましいでしょう。

そのためには、普段からそういった専門機関との連絡・連携関係を築いておくことが不可欠になります。

 

 

 

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