7. まとめ
7.1 報告書のサマリー
ここでは本報告書に記述されている調査・研究結果のサマリーを示す。
(1) 試作評価システムの仕様策定[第2章]
平成9年度に実施した小型機向けサービス(アプリケーション)候補の中から、実際に試作評価システムで実現するものとして1]位置通報、2]出発・到着時刻通報、3]気象画像情報提供、4]METAR情報提供、5]トラフィック情報提供の5つに絞り込み、各アプリケーションの基本仕様を策定した。
本研究の目的がハードウェアの能力評価であることから、気象情報のようにリアルタイムで入手可能なデータについてはオンラインで情報を入手するが、トラフィック情報のようにデータソースに問題点があるものは将来的にデータソースの問題が解決されると仮定して擬似データで試作することとした。
(2) 地上評価装置の詳細設計および開発[第3章]
第2章で示した試作評価システムの仕様に基づき、試作評価システムの地上側に相当する地上評価装置の詳細設計を行った。さらに詳細設計に基づいて試作評価システムの開発を行った。システムの詳細設計ならびに開発にあたっては、運航者ヒアリングを実施して、表示項目やユーザインタフェースの実装に反映した。また、別途進められている委員会等におけるアウトプットについても極力反映することとした。例えば、運航管理画面における運航データ表示項目や表示方法については、関連の委員会において検討された結果を開発に反映させている。また、通信データを柔軟に分析することが可能となるよう、すべての通信データはテキストファイルにタイムスタンプ付きのログとして出力される仕組みとなっている。
製造した地上評価装置の外観を図7-1に示す。