3. 地上評価装置の詳細設計および開発
3.1 概要
小型機運航に対する地上支援システムのあり方を検討するための試作評価システムを構成する地上評価装置および機上評価装置のうち、地上評価装置については、2章に示す基本仕様に基づいて詳細設計を実施するとともに、ソフトウェア開発を行った。本章では、開発した地上評価装置の詳細設計結果を報告する。
3.1.1 目的
本システムは、「小型機運航に対する地上支援システム」の機能要件を洗い出すための試作評価システムにおける地上側の評価装置である。
3.1.2 システム機能
本システムは以下のような機能を提供する。
(1) JDLCとの通信機能
アビコム・ジャパン社のJDLC(Japan Data Link Computer)を介して、AX.25(Airline X.25)およびBATAP(Type-B Application to Application Protocol)による機上評価装置との双方向空地データリンクを行うことが可能である。
(2) 空地データリンクアプリケーション
本評価装置は、以下の機能を持つ空地データリンク・アプリケーションを有する。
(a)位置通報受信処理機能
機上評価装置からの位置通報を受信および保管し、マップ上の当該位置に航空機シンボル、タグを表示する。
地上評価装置は機上評価装置に対して位置通報のリクエスト・メッセージを送信する機能を有し、リクエストに際しては送信先の航空機、送信間隔等の設定ができる。
位置通報に用いるメッセージはARINC620、622、および745で定義されているADS(Automatic Dependent Surveillance)と同様の仕様とする。
(b)出発(到着)時刻通報受信処理機能
機上評価装置から送信された出発(到着)時刻通報の受信およびその情報の表示、保存、管理が可能である。
出発(到着)時刻通報はARINC620で定義されているOOOI(Out-Off-On-In)のメッセージフォーマットに従う。