以下の項に、これらのフェーズの運用について示す。
3.7.2.1.1 網初期化
リンク確立処理の前に、機上VDLは、初期タイミング状態0(TSO)に初期化し、CTC1をパラメータtに、CTC2は0に、また、CTC3は0に、それぞれセットするものとする。リンク確立手順の最初の部分は、特定ユーザ・グループ識別子に関連したMアップリンク・バースト(3T構成ではLBAC11、3S構成ではLBAC7、9または11、その他の構成ではLBAC5)の獲得である。アップリンク・バーストのオクテット1〜3に同じ情報にすなわち、システム構成、スケルチ・ウィンドウ、スロットID及び地上局コード)を含むMアップリンク・バーストを連続して2つ受信した場合、LMEは網が初期化されたことを宣言するものとし、また、オクテット1〜3に含まれるスタティック情報に基づく網運用パラメータを確立するものとする。網初期化が完了次第、機上VDLはTSOからTS1へ移行するものとする。
機上VDLは、TS1に移行することができない場合、ATSを探索してその網内のスロット数を判断し、TS2に移行するものとする。機上VDLがTS2に入る前にCTC3がパラメータfに等しくなる場合は、TS3に移行する。網初期化に先立ち、音声アクセスは禁止するものとする。
注)網初期化は網加入の次のステップの前提条件であるが、専用音声回線及び 非保護音声回線(6章)は、網初期化のみで支援できる。
3.7.2.1.2 網加入
網加入方式は、網初期化成功後に網加入要求メッセージを伝送する機上局により開始するものとする。網加入要求メッセージの伝送及びそれに続く再送信は、必要に応じて付録Hに記述する方式に従うものとする。網加入の再送信は、網加入応答メッセージを受信するかまたは再送信の回数がNL1に達するまで継続する。NL1回のリトライ(表3-60)後は、SN-SMEにそれを通知するものとする。網加入応答メッセージを受信した場合、機上局は、ポーリング応答メッセージを次のMACサイクルの間に伝送するものとする。網加入応答メッセージが“前のリンク維持”のタイプである場合は、航空機のTL8タイマ(表3-60)は停止しなければならない。
注)1つ以上のデータ回線を提供する構成はすべて、網加入(3V1D、2V2D、2V1D、3T)を支援しなければならない。地上ユーザが個別のアドレス指定を要求する場合は、音声のみの構成(3V、4V及び3S)が網加入を支援することができる。