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モード3のV/Dバーストでかつ200NMの伝搬遅延がある場合、バースト終了後次のスロット開始までは15シンボルの保護時間(Guard Time)しかない。これは時間にして約1.4msである。このため、2.5msのAGC/減衰器の解放時間では次のバーストを正しく処理することができない。

したがって、次の検討をする必要があると考えられる。

(1)ダイナミックレンジ範囲の最適化。

(2)IF及びRF段のリミッタによる入力制限。

(3)フィルタによる飽和対策。

 

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図4.2.1 ダイナミックレンジとAGCの検討

 

図4.2.1はAGC回路を使用した場合の受信系の動作原理と、本設計の検討結果である。AGC、減衰器等の利得制御に必要な時間を最小限とするため、リミッタ回路等による制限が適していると考えられる。また、この結果として位相検出に飽和による影響が残るが、位相データの中央値を算出する一種のフィルタにより解決できると考える。詳細なパラメータや最大信号強度の設定には、今後の回路検討が必要である。

 

4.2.2 周波数の自動切換

 

3Tモードの特徴的な機能の一つに自動周波数切換機能がある。これは、ハンドオフ・チェック・メッセージ(HCM)バーストを用いて、航空機が、主体的に周囲の隣接する周波数を自動的に選択できる機能である。この機能を実現するためには以下の機能を有する必要があり、モード3用高周波部の主要な機能の一つと考えられる。この機能の実現の為には、次の処理を行う必要がある。

 

 

 

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