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・VPCD (Validation Procedures and Control Document) Ver1.2が提出されたが、内容の討議には至らなかった。SARPsの作成と検証は、実効的に進んでおり検証が98年末に完了する予定であることが報告された。

(2) 航法アプリケーション用データリンク

CBAS用のデータリンクとして、GNSSPがD8PSKを検討している。AMCPは、これを支持し航法用データリンクの検討をAMCPでこれ以上行わないことが確認された。

(3) 監視アプリケーション用データリンク

監視アプリケーションとして具体的に検討されているのは、ADS-Bである。ADS-B用のデータリンクとしてVDLモード4を支持するグループ(スウェーデン、ドイツ、ロシア、中国)とSSRモードSを支持するグループ(アメリカ、英国、カナダ)とがあり、この間で長時間にわたる議論が行われたが結論が出なかった。しかしながら、大多数の支持によりSARPsの作成は継続することになった。

ADS-B用にSSRモードSを支持するグループの主張は、

(a)SSRはモード4比べGPSを利用しないため、独立性が高い(WP67参照)。

(b)空対空のADS-Bでは、モード4は地上局の統制が必要だが、SSRでは不要。

(c)ARNS帯に108-117.975MHz)は、VOR、ILSに占有されており、空きなし(ただしこれはFAAの事情)。

(d)SSRモードSはすでにSARPsが存在し、運用もされている。特にセパレーションが3nmのターミナル空域ではSSRモードSが必要。

(e)モード4は、隠れ端末(突然覆域内に現れると同期がとれない)、取り扱い容量、機上アンテナ位置等の技術的問題がある(WP40参照)。

ただし、モード4支持派は問題なしと反論。

等であった。これらの問題に対してはモード4派の宿題となった。モード4の利点としてはコストが低いことが強調された。

スウェーデンは、モード4を監視用データリンクとしてだけでなく通信用データリンクとしても用いたいことから、モード4にATNとの互換性を持たせることを提案している。この点についても長時間の議論があったが結論は出ず、現時点では互換性を持たせることはせず、継続で検討することとなった。

アメリカでは、SSRモードSを用いたADS-Bをまず空対空の監視目的で1999から2000年の間に導入し、2005から2015年の間に地対空の監視の目的で導入する計画である。

 

 

 

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