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公務文書への批判
官僚制(bureaucracy)という言葉は、書類を入れる引き出しつきの机を意味するbureauを起源としています。昔から公務と文書は切っても切れない関係だったようです。公務で作成する文書はいわゆる「お役所文書」として批判の対象になることがあり、理解しにくい文書の代名詞として用いられています。公務文書に対する主な批判としては次のようなものがあります。
1 形式的で、堅苦しく、親しみがない
権利・義務が生じる文書や申請・届け出書は、一般的には、文書が定型的で構成が同じであるため、堅苦しく形式的な感じがします。また、使用する用語は専門的なものが多いので親しみがもてません。
2 法令万能主義的な感じがする
公務は法令に基づいて仕事を遂行しているため、ことばを尽くして内容の面から理解を得るというより、法令の力により説明しようとする傾向があります。やさしさの欠けた形式主義で法令万能主義的な感じがします。
3 まわりくどく難解である
公務が作成する文書は、公務の性格から、相手に対して内容を正確に、かつ、完全に伝えようとすることから、用語や構文が難解になったり、説明がまわりくどくなったりして、かえってわかりにくくなることがあります。
4 読もうという気が起こらない
公務が作成する文書は、内容が相手に伝わればいいという事務的な感じが強く、読んでもらおうという熱意や努力が感じられないことがあります。
公務が作成する文書は、住民とのコミュニケーションにとって大切な役割を果たしています。公務は、住民の権利・義務・財産などに関する仕事をしているので、公務が作成する文書、資料などについては、解釈に疑義が生じないように表現する必要があり、ある程度の批判はやむを得ませんが、わかりやすい親しみのある文書作りを心がけていきたいものです。