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シート90

 

立場を考えての接遇

 

接遇は、人と人との触れ合いです。住民との触れ合いには、直接応対したり、電話や文書で応対するなど、いろいろな形態があります。よりよい接遇は、相手を理解し、自分を知るとともに、相手や自分の立場を考えて行うことが重要です。

 

1 相手を理解する

 

(1)相手の目的に応じて応対する

住民は、いろいろな用件で役所にやってきます。行政上の相談、証明書の交付、法令上の届出、事情聴取などいろいろな態様があります。よりよい接遇は、相手の用件に応じて行うことが大切です。相手の目的は何か、どんな立場・状況にあるかなどを早くつかむことが接遇の第一歩です。たとえば、

・行政上の相談の場合は、親身になって考えるという姿勢を持って、ていねいに相手の事情を聞き、わかりやすい言葉で解説し、よりよい解決を目指して考えることが大切です。

・職権に基づいて住民を呼び出した場合には、呼び出しに応じてくれたことに感謝し、事情、経緯を説明するとともに、相手の言い分をよく聞く姿勢を取ることが必要です。

いずれにしろ、用件、状況は異なるにせよ、接遇の基本は誠意を持って接するということにつきると言ってもよいでしょう。

 

(2)相手に応じて応対する

接遇の心構えの基本は誠意です。しかし、誠意をもって望むとしても、人は様々なので、相手に応じた応対が必要です。たとえば、温厚柔和な人には好意に甘えずに礼儀正しく、気難しい人には謙虚で忍耐強い態度で、内気な人にはゆっくり和やかに接しましょう。相手によって、どういう応対をしたらよいのか、いつも相手の立場になって考えてみましょう。

 

(3)感情的にならないように応対する

人間は感情の動物です。住民の風ぼう、言葉づかい、態度などに先入観を持つと、応対のしかたが変わってしまう危険性があります。自分自身の感情が相手に反映し、結果として仕事を円滑に進める障害となります。感情が先行し、応対の態度に表れるようでは、正しい接遇とは言えません。

 

2 自分を知る

 

(1)自分の立場を十分認識する

公務員は全体の奉仕者として、住民の信託を受けて公務に従事していることをしっかり認識しておかなければなりません。そして、接遇に当たっては、組織を代表して住民と応対していることを自覚しましょう。

 

 

 

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