シート62
仕事の割当
1 仕事の割当て
仕事を部下に経験させることは、部下の能力開発に大きな影響を及ぼすので、仕事を割り当てる際には、仕事の達成という観点のほかに、部下の指導・育成という観点を加えることが大切です。
OJTの方法の一つとして、部下に仕事を割り当てる場合には、次のような点に留意する必要があります。
○ まとまりのある仕事として割り当てる
まとまりのある仕事として割り当てないと、部下はその遂行に責任を感じず、また、達成しても達成感や満足感を抱かない可能性があります。仕事の企画から評価まで、なるべく一貫して部下にゆだねたり、参加させたりする形で割り当てることが大切です。
○ 若干高度な仕事を割り当てる
割り当てた仕事が部下の能力からみて簡単に行えるものでは、部下の意欲もわかず、能力の向上にもつながりません。また、あまりに高度な仕事を割り当て、部下がその仕事の達成に失敗した場合には、自信を失い、かえって能力開発の面でマイナスに働く可能性があります。部下の能力等からみて、努力すれば達成可能な仕事を割り当てることが大切で、監督者は、部下が失敗しないように必要な支援を行うことが大切です。
○ 今までとは違う仕事を割り当てる
今まで担当してきて慣れている仕事ばかりでなく、新たな仕事を割り振ることは、それまでとは異なる能力を向上させる機会となります。
○ 部下の希望を踏まえて割り当てる
部下が望んでいる仕事を割り当てた場合には、部下がその達成に意欲を燃やし、自ら努力することが期待できます。一方、部下が不得手としている仕事や希望していない仕事を割り当てた場合には、それが達成されれば、苦手意識を払しょくさせ、部下に新たな能力分野を開くきっかけとなります。この場合には、部下が仕事の達成に失敗しないように特にサポートが必要となります。
○ 部下同士でチームを組むように割り当てる
部下同士でチームを組ませると、先輩職員のリーダーシップ能力の向上に効果があったり、部下の間に信頼関係が培われたりするという効果があります。
2 課題を与える
長い間懸案となっている問題や、状況の変化に伴い新たな方策が求められつつある業務などを検討課題として部下に与えて研究させ、その成果をレポートにして提出させたり、職場勉強会などで発表させることも、部下の指導・育成として効果的です。
(1)課題研究を部下に行わせることによって、次のような効果が期待できます。
○ 課題に関する知識を習得させることができる。