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シート61

 

説明・会話・議論

 

1 説明する

「説明する」とは、部下がわからないこと、知らないことを主として口頭で教える方法で、OJTにおいてもっとも広く使用されています。しかし、広く行われているにしては、効果的に行われているとは言えない状況にあります。

上司は、部下に説明する際には、次の点に注意して行うことが大切です。

○ これから説明することをなぜ理解する必要があるのか、その意義を納得させる。

なぜ、それを知っている方がよいのか部下が理解していないと、いくら詳しく管理者が説明しても、部下はよく聞かない可能性があります。

○ 教え方の原則に沿って説明する。

説明したことが理解されるためには、次の教え方の原則に沿って説明することが大切です。

・基礎的なことから応用的なことへ

・易しい内容から難しい内容へ

・理解し難い内容については反復して

・抽象的な説明と具体的な説明とを混ぜて

・複雑な内容のものについては最初に全体像を示して

・一度に大量の内容を説明しない

○ 説明した内容を理解したかどうかを確認しながら行う。

部下から質問させたり、部下に復唱させたりして、説明した内容について部下が確実に理解したかどうかを確認しながら行うことが大切です。

○ 口頭の説明だけに頼らないで行う。

複雑な内容を説明する場合には、口頭で説明するだけではなく、図表や資料などを使用して説明することが大切です。

○ 技術や技能、能力等に関する指導には説明以外の方法も活用する。

技術や技能、能力といったものについては、部下がそれを実際に行えるようにならなければ、身についたとは言えません。説明するだけではなく、管理者がやってみせ、部下にもやらせてみるといった方法を活用することが大切です。

○ 部下の能力や意欲に応じて説明を変える。

部下の能力や意欲が低い場合には詳しく教える必要がありますが、能力も意欲も高いベテラン職員のような場合には詳しく説明するとかえってくどいと反発されることがあります。部下の能力や意欲、さらには性格、年齢等にも配慮して説明を変えることが大切です。

 

2 会話する

 

部下からの相談や提案を聞いたり、仕事上の議論をしたり、雑談をしたりすることは、部下の意欲や能力、興味や関心などを知るとともに、自分の考えや方針を伝え、部下を指導・育成するよい機会となります。

 

 

 

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