シート60
効果的な教え方・学び方
1 教える
「優れた学者が、必ずしも優れた教師であるとは限らない」と言われます。教える内容について十分な知識を持ってさえいれば、よく教えることができると思いがちですが、決してそうではありません。教えることはそれ自体一つの技術で、その技術を身につけなければ効果的な教え方はできません。
効果的に教えるためには、次のような点に注意する必要があります。
(1)心構えをさせる
○固くならないようにリラックスさせる。
○教える主題、その重要性などについて話し、関心と興味を呼び起こす。
○すぐ覚えられるという自信を持たせる。
(2)内容を教示する
○五感、特に視覚と聴覚を活用して、はっきり、もれなく理解させる。
○初めは正確さを主とし、必要ならば何度でも、繰り返し教える。
○一度に何もかも教えないで、一つずつ区切って、確実に理解させる。
○重点の所在を明らかにし、その点を繰り返し強調する。
(3)実地に習得させる
○やり方をよく見ていて、誤りはそのつど、あたたかい態度で早く直す。
○なるべく実地に行う機会を作る。
○疑問点は遠慮なく、進んで質問するように仕向ける。
(4)反復指導する
○質問などにより、教えた結果を検討する。
○うまくいっていない場合には、さらに指導する。
○うまくいっている場合でも、忘れさせないようにときどき様子を見る。
2 学ぶ
一方、教わる側から見ると、学習の条件と言うものがあります。これを知っておくことも教える場合には役立つでしょう。
代表的な学習の条件としては、次のようなものがあります。
(1)準備の法則
学習のためには、学習内容に必要な具体的、精神的な準備ができていなければならない。