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シート56

 

OJTの進め方

 

OJTの進め方は、研修の順序(研修ニーズの把握、内容・方法の決定、準備、実施、評価)を踏まえて次のように行います。

 

1 研修ニーズと指導目標の明確化

 

部下が現在担当している職務を遂行するために必要とされる能力水準や、将来の育成目標と現在の能力とを対比して、指導目標を明確にすることが必要です。この場合、本人と十分話し合うことが大切で、また、目標はできるだけ具体的に設定し、さらにそれを本人にもはっきり示すことが大切です。

 

2 指導方法の決定

 

目標の緊急度、重要度などを考えながら監督者の援助の範囲や重点を決め、指導内容、方法などについての具体的なスケジュール、さらに、必要な指導参考資料などを決めます。この場合も本人と話し合って決めることが効果的な方法です。

 

3 研修の実施

 

決定した目標や方法に従って必要な指導を行います。この場合指導の機会をうまくとらえることが大切ですし、部下本人に受け入れられ、積極的な意欲を引き出すように配慮することを忘れてはなりません。

 

4 事後の評価

 

目標に対する到達度を仕事の成果などを通じて評価(目標と実際の習得度とを対比)し、目標に到達していない場合にはその原因を調べ、その後の指導方法、次の指導計画に反映させます。

 

以上のことは意図的、計画的に行われなければなりませんが、計画的といっても、常に綿密な日程を作成して行う必要はありません。現実の職場では詳細な日程に沿ってOJTを行うことは困難な場合が多いと言えます。仕事の進行過程で折りに触れて、あるいはちょっとした手すきの時間をとらえて随時に、継続的に、指導を重ねていくことが大切です。また、評価も、一定時点で全項目を評価する必要はありません。随時、研修の効果を仕事ぶりの観察などを通じて検討し、それぞれの項目について指導を継続する必要があるか、見ていけばよいのです。

 

 

 

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