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シート40

 

説得のしかた

 

相手を説得するには次の点に配慮するといいでしょう。

 

1 相手と共通の基盤に立つ

 

お互いの事実認識が異なっているなど、異なる理解をしていては、話し合っても議論がかみ合いません。まず、基盤となる状況・事実についての認識を共通にすることが必要です。

 

2 一致点と対立点をはっきりさせる

 

お互いの考えを明確にし、一致点と対立点をはっきりさせることが大切です。そうすれば解決すべき問題の範囲は小さくなります。特に、互いの目標や方向性が一致している場合には、一致点を強調して、協同意識を築くことが重要です。

 

3 相手の期待や欲求に訴えかけて話を進める

 

人間は自分自身の欲求や価値観などに揺り動かされて行動しています。したがって、こちらから相手の懐に飛び込んで、相手の欲求や期待に訴えかけることが大切です。

 

4 一挙に片付けようとせず、段階的に進める

 

こちらの考えかたを一挙に押しつけても納得は得られません。比較的共鳴されやすい事項から説得し、徐々に説得の範囲を広げていくと良いでしょう。もちろん、譲れるところは譲ることも大切です。また、人、場所、時間を変えて話し合うことも効果的です。

 

5 誠意と熱意をもって話を進める

 

「法律に定めてあるから」、「命令だから」などと権威や形式を根拠に説得するのではなく、相手に理解してもらいたい事柄の根本にある思想や目的などを説明し、誠意と熱意をもって話を進めることが大切です。

 

6 相手の感情の動きに注意し、ことばに気をつける

 

理屈では理解していても、感情的に納得できないことがよくあります。相手の感情の動きに注意し、ことばの端々に気を配り、注意深く話を進めましょう。

 

7 結論を押し付けずに相手が自分で納得するように進める

 

人間は押し付けられれば抵抗を感じます。結論を押し付けるような進め方ではなく、相手に自発的に自分の結論を修正し、こちらに歩み寄ってもらうようにすることが大切です。

 

 

 

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