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シート24

 

○職務遂行方法ではなく、職務実績が重要になる

ネットワーク上での情報・意見の価値は、情報発信者の性格や服装、しゃべり方などには影響されず、メッセージの中身だけで決まります。また、ネットワークを通じて職員が仕事をするとき、上司は、職員が誰とどのような内容の情報をやり取りしているかを知ることはできず、部下の職務遂行方法をいちいちチェックすることは困難になります。したがって、上司は、仕事の成果を中心に、部下を評価することにならざるを得ません。

(監督者の対応)

・職務遂行の監視役としての監督者の役割は重要性を失い、部下をコントロールするという考え方を改める。

・部下の評価は、部下の職務態度ではなく、成果で判断する。そして、部下の成果にいかに付加価値をつけるかが上司の役割となる。

 

○仕事が個人単位で行われ、職員の組織に対する帰属感が希薄になる

パソコンを利用しての職務遂行は、報告書の作成、情報の発信、情報へのアクセスなど、ほとんどの職務がパソコンに向かうことで事足りてしまいます。そして、上司や同僚たちとは、職務遂行に関して相手が有益な情報やアイデアを持っていない限り、コミュニケーションを取る必要性を感じなくなる可能性があります。

このような仕事のやり方で達成された職員の成果物は、往々にして、一人よがりなところがあり、組織全体の方針や目標に沿っていないことがあります。また、パソコンに向かっての職務遂行は、どこで仕事をしようと同じではないかという感覚を生み、職員の職場への帰属意識を希薄にするおそれがあります。

(監督者の対応)

・個々の職員の成果を活かしつつ、調整して、全体としての成果に結び付ける。

・個々の職員が自分の能力を活かして自由に仕事をするという満足度に加えて、自分は組織の一員として仕事をしており、上司や同僚とは信頼と協力関係があるのだという心理的安心感を得られるように、職場内のコミュニケーションの活性に努める。

 

 

 

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