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シート23

 

事務用機器の活用

 

事務用機器を活用する際には、次のような点に留意する必要があります。

 

1 機器導入の目的を明確にすること

 

機器活用の利点としては(1)労力・時間を節約する、(2)仕事の精度を高める、(3)より付加価値の高い業務遂行を可能にする、などが挙げられます。しかし、しばしばこのような利点が生じるか否か十分に検討することなく、他の組織も導入しているからと安易に機器を導入するケースが見られます。

また、大切なことは、機器の導入により労力・時間が節約できたときに、その節約できた人員・時間をどのように活用するかです。機器の導入により、職員が暇になり、何もしていない時間が増えただけでは、機器導入の意味がありません。

なお、最近ではパソコンのネットワーク化が頻繁に行われていますが、一般的にネットワーク化により労力や経費が削減されることはあまり期待できません。ネットワーク化により、より多くの情報が収集でき、多様な分析が可能となるため、かえって多忙になることが多いようです。ネットワーク化の目的は、より高度な業務遂行にあると言えます。

 

2 機器の購入・活用に際しての検討

 

機器の購入、活用に際しては、以下のような点に留意する必要があります。

(1)機器の利用者

機器の利用にはある程度の技術を要する場合があります。いかなる人がその技術を有しているのか、ある程度の研修を受ければ誰でも利用できるようになるのか、職員に利用意欲があるか、など確認する必要があります。機器を購入したが、誰も利用していないとか、利用できる人が限られていて、その人だけが多忙になったり、その人がいないと業務が滞るというケースはありませんか。

 

(2)機器のサポート体制

機器導入に際しては、予めサポート体制を考えておくことが大切です。機器の保守、点検体制は整っているか、機器利用者に対する研修プログラムは十分か、などです。

 

(3)購入・経常経費の見積り

機器を購入する場合、どの程度の経費を要するかは重要な点です。初期費用については算定が割合容易ですが、利用や保守に要する運転費用の算定を軽視しがちですし、算定が困難な場合があります。また、機器の進歩は目覚しく、所有している機器が数年後には時代遅れのものとなったり、その機器の交換部品や周辺機器が入手できなくなったりして、機器を十分に利用できなくなることがあります。機器の使用年数やどの程度の買い替え費用を見込むかは、購入に際して重要な検討事項です。リースを利用することも一案です。

 

 

 

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