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5 無関心

 

ギャンブルぎらいの人に競馬の話をしても話は続きません。ゴルフに熱中している人に釣りの話をしても同じです。伝達された情報に関心がない場合には、話がはずまないだけでなく、受け手はその情報を無視したり、すぐに忘れてしまったりします。良好なコミュニケーションを維持するためには、互いが共通の関心を有することが大切です。

 

6 過剰な期待

 

パソコンを使っていると、大文字と小文字を間違えたばかりに、思い通りに動かないことがあります。たびたびそのようなことがあると、自分のミスを棚に上げて、「もう少し融通をきかせてくれてもいいじゃないか」と怒りたくもなります。

相手が機械の場合は、それは無理な注文だと納得します。しかし、相手が人間だと、自分のコミュニケーション能力の不足はさて置いて、なぜ、相手は自分の思ったとおりに反応してくれないのかと思いがちです。こうした過剰な期待は、相手に対する不満につながるおそれがあり、ますますスムーズなコミュニケーションは困難になるでしょう。

 

7 感情や精神の不安定

 

人間の感情には起伏があり、感情の変化が顔に出やすい人とは話しにくいものです。予想を超えて激怒されたりすれば、誰でも会話を続けていくことができません。コミュニケーションを円滑にするには、送り手と受け手の双方が感情的、精神的に安定した状態にあることが必要です。

 

8 価値観の違い

 

異なる価値観がせめぎ合うときには、どちらかが相手に譲らなければならず、共通の目標に向けて互いが協力するという意味でのコミュニケーションの成立は困難になるでしょう。しかし、価値観の違いは、誰にでも、どこにでもあり、価値観が異なるからとして、コミュニケーションを放棄していたのでは組織の目標は達成されません。

個人の価値観を離れることにより、互いに敵対的な姿勢を取ることを止め、組織目標達成のため、共通の方向性を持って、コミュニケーションを図ることが組織に勤務する者の努めです。

 

 

 

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