シート13
問題発見・問題解決
問題発見、問題解決には以下のような能力・資質が必要だと考えられます。
1 先見性
問題には必ずその徴候があります。その徴候に気づくかどうかは、状況の推移を注意深く観察し、その徴候がどう発展するかを予測できるかどうかにかかっていると言えます。
こうした先見性は、第六感やひらめきなど一見感覚的なもので、天賦の才であると考えられがちです。しかし、過去の類似した状況と現在の状況を比較して、今後の推移を予測することも先見性の一種で、決して学習不能な能力ではなく、たとえば歴史を学ぶことにより先見性を磨くことができます。
2 情報収集・分析力
現代は情報の時代と言われ、情報が大きな価値を有しています。情報化社会における問題発見・解決には情報をいかに収集し、分析するかがポイントとなります。
情報収集に際しては、仕事に直接関係する情報だけに注意を払うのではなく、広く社会や世界の動きに注意を払うことが必要です。問題の原因が、ときには一見業務とは関係のない要因に起因していたり、問題解決に至るヒントが、業務とは直接関係がない情報から得られることがあるからです。
また、情報を自ら積極的に収集することは大切ですが、いかに外部からの情報が入りやすい環境を整備するかという点も重要です。なぜならば、外部の者が、問題点に気づき、苦情などの形で、問題点や改善点を知らせてくれることがあるからです。
情報は、ただ有しているだけではなく、自らの視点で分析し、活用してこそ価値あるものになります。そして、情報過多とも言える現代においては、いかに情報を整理し、そこから問題解決に役立つ鍵を引き出せるかが重要です。同じ情報を有していても、情報分析次第によって、まちたく異なる結論が導き出されることもあり、今後、ますます分析能力が重要になるでしょう。
3 創造力
問題を認識したら、次に解決策を考え出さなければなりませんが、変革の激しい今日においては、同種の問題に対する過去の解決策をそのまま適用するだけでは不十分な場合が多く、新たな発想・アイデアが求められることが多いと言えます。つまり、創造力が求められているのです。
創造力は一朝一夕に向上するものではなく、長い間の基礎的な知識の蓄積と本質を踏まえた問題意識が不可欠です。また、こうしたらどうなるだろう、あの解決策を試したらどうなるだろうか、という想像力や好奇心も創造力を支える資質と言えましょう。