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シート11

 

仕事の改善

 

仕事の改善にあたっては、監督者が下記のような改善の視点を有し、改善を制約する要因を理解しながら、部下とともに改善していくという姿勢が大切です。

 

1 改善の視点

 

仕事を改善するための原動力は、仕事に対する監督者の問題意識です。たとえば、次のような視点から常に改善意識を持って、職務にあたることが大切です。

(1)能率的な業務遂行より正確に、より速く、より安く、より楽に、仕事を進められないか考えてみましょう。たとえば、業務の仕方は標準化されているか、機器の活用により省力化できないか、など考えてみるといいでしょう。

(2)仕事に対する目的意識

社会経済状況が大きく変化している現代社会にあっては、現在行っている仕事と社会が公務に求める期待とがかけ離れ、仕事の意味が薄れてしまう場合があります。単に事務処理の合理化を図るだけでなく、「なぜ、その仕事をやっているのか」という大きな目的意識に立ち返りながら、業務自体の改善・整理を図る必要があります。

 

2 心理的制約

 

改善は必然的に変化を伴いますが、人には、固定的な考え方、思い込み、自信の欠如、事なかれ主義といったことが要因となって、新しい試みを避けようとする心理が働きます。監督者は、自分自身がそのような心理に陥らないように心がけるとともに、上司や部下を含め、職場全体に改善意欲を広めることが重要です。

 

3 創意の尊重

 

仕事の改善は監督者だけではできません。一人よがりに無理に改善すると、改善どころか、改悪となる結果をもたらしかねません。関係者の理解を得ることが重要で、特に、部下には事前に意見を十分に聞き、納得を得る必要があります。監督者の考えを押しつけず、部下の自発的な工夫を引き出すことによって改善を図ることができれば、理想的と言えます。そのためには自らの問題意識や創意をみがくとともに、部下が創意を引き出せるような環境を整えることが大切です。たとえば、監督者には次のような姿勢が求められます。

・仕事に関係のある情報の収集に努め、情報は、部下と共有する。

・自分のアイデアは、その利害得失を関係者によく説明し、関係者からも意見を聞いて、さらによいアイデアに高める。

・部下の意見やアイデアをよく聞き、できるだけ実現するように努める。

・仕事の意義や目標を常に明らかにし、その達成に向けての議論を活発に行う。

・「ブレイン・ストーミング」など、アイデアを得るための技法を活用する。

 

 

 

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