第1章 公務員としての自覚
本章では、政府の役割や公務の特性を論じることにより、公務は、どうあるべきかを考え、ひいてはその公務を担う公務員のあるべき姿を自覚することをねらいとしています。
1-1 政府の役割
多くの国で政府の役割が見直されている中、自国政府の役割について考え、議論することは、有意義といえます。
(議論のポイント)
・あなたの国では政府の役割はどのように変遷してきましたか。
・今後政府の役割はどのように変わっていくべきだと思いますか。
シート1 公務の役割とその変遷
1-2 公務員の位置づけ
公務を担う公務員は、国民に仕える公僕として位置づけられている国が多いようです。しかし、昔から公務員は国民の公僕だったわけではなく、位置づけは変遷して今日に至ったのです。公務員の地位の変遷を考えることにより、現代の公務員のあり方を論じてみましょう。
(議論のポイント)
・あなたの国の公務員の地位はどのように変遷してきましたか。
シート2 公務員の地位の変遷
1‐3 政治家と職業公務員の関係
公務員は、選挙により選ばれる者や政権と運命をともにする政治的任命公務員と、誰が政権を担うかにかかわらず公務に従事する職業公務員の2種類に分類されます。両者は相補って公務を遂行する関係にあります。両者の望ましい関係について考えてみましょう。
(議論のポイント)
・政治家と職業公務員の役割についてどう考えますか。
・あなたの国では、政治家と職業公務員は実際にはどのような役割を担っていますか。
ケーススタデイ:次のケースについて考えてみてください。
シート3 「人気取り政策はごめんだ」
シート4 「人気取り政策はごめんだ」の手引き
1-4 公務の特性
公務の目的は公益の実現で、利益追求を目的とする民間とは行動原理が異なります。公務の特性を論じることは、公務員としての行動規範を検討する際の参考となるでしょう。