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町村

・町村においても、都道府県・市に比較して割合は低かったが、2]の「制度改正による国からの税源移譲」を選択した団体が最も多く(76団体、80.9%)、うち、第1番目に回答した団体は、65団体(69.1%)であった。理由としては、「税に対する住民の関心がますます高まっているなかで、地方税の拡充・新設や超過課税、法定外普通税・法定外目的税の活用など税負担の増加するものについては、住民の理解が得られがたい。」(14団体)、「過疎地域など小規模の自治体では、税の拡充・新設及び税率の引き上げ等による税の充実確保には限界がある。」(7団体)といった回答が多くみられた。

有識者

・有識者においても、2]を選択した回答が最も多かった(14人、82.4%)。理由としては、「国の権限を移譲するのにあわせ、税財源を地方に移譲してはじめて、地方分権が実体あるものとなる。」(2人)、「できるだけ地域における歳出(受益)と負担の関係を明確にするためには、補助金を地方の財源に変えていくことが必要であるため。」(2人)といった回答があった。なお、地方団体ではあまりみられなかった3]の「超過課税の活用」、4]の「法定外普通税・法定外目的税の活用」を選択した回答も、4人(23.5%)あった。

 

問2 分権型社会に対応した地方税体系を構築していくうえで、現行の地方税(法定税)の拡充や新設をする場合、どのような内容が考えられますか。できるだけ具体的にお書きください。

 

(全体の概要)続いて、分権型社会に対応した地方税体系を構築していくうえで、現行の地方税(法定税)の拡充や新設をする場合、どのような内容が考えられるかを問うものである。

全体の意見として、最も多くみられたのが、「地方消費税の拡充」に関係した回答(54人)であった。内容としては、消費税率を引き下げ、地方消費税率を引き上げるというような国から地方への税源移譲をあげた回答が多かった。次いで多かったのが、「所得税から住民税への税源移譲」(31人)で、3番目が「法人事業税の外形標準課税の導入」(29人)であった。その他、「地方環境税を創設する。」(17人)、「法人関係税の国と地方の配分の見直し」(11人)、「たばこ税の地方配分割合を高める。」(10人)というた意見が多くみられた。

 

(団体区分別の結果)次に、団体区分別の主な意見については、以下のとおりとなった。

都道府県

・都道府県の回答の中で最も多かったのは、「消費税から地方消費税への税源移譲」という回答で、23団体であった。次に多かったのが、「法人事業税の外形標準課税の導入」で、21団体、3番目に多かったのが、「所得税の一部(一定税率以下など)を住民税に移譲」で、ll団体であった。その他、「法人税と地方法人課税の税率配分の見直し」(6団体)、「地方環境税の創設」(6団体)などの意見があった。

・市の回答の中で最も多かったのは、都道府県と同じく「消費税と地方消費税の税源配分について地方配分割合を高めるなど、地方消費税の拡充を図る。」という回答で、18団体であった。次に多かったのが、「所得税の比例的税率部分を住民税に振り替えるなど所得税から住民税令の税源移譲を行う。」(10団体)で、3番目に多かったのが、「既存税目について、国と地方の税源配分を見直すことが、住民に対してわかりやすく、導入しやすいと考える。」(7団体)、「固定資産税の拡充(非課税措置等の見直し)」(7団体)であり、国から地方への税源移譲をあげた団体が目立った。

その他、「非課税措置等の廃止・縮減について検討する。」(6団体)、「個人住民税の課税最低限の引下げ、各種控除の見直しを図る。」(5団体)などの回答があった。一方で、「現在の経済情勢の中では、納税者の負担増となるような地方税の拡充・新設は考えにくく、具体的な案はない。」(9団体)という回答もあった。

 

 

 

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