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また、平成9年度からは、「税務職員の相互併任制度」をスタートさせ、県と市町村の税務職員が相互に交流し、派遣先の徴収権限を持って直接滞納整理に取り組んでいる。神奈川県では、滞納整理の効率化のため県税事務所の納税実務に精通した職員を「個人住民税担当スタッフ」として指定し、この中から派遣先市町村の身分を併せ持つ税務併任職員を任命している。税務併任職員の派遣日数は月5日以内で滞納税額が高額な事案や処理が困難な事案に取り組んでいるが、市町村税務担当課における士気高揚も含め、少なからぬ成果を上げているところである。

 

2]広域連合等の活用

鳥取県中部の1市8町1村(倉吉市、羽合町、泊村、東郷町、三朝町、関金町、北条町、大栄町、東伯町、赤碕町)は、鳥取県中部地域における市町村税の徴収率の低さに対する問題意識から、滞納防止と徴収率向上のため「鳥取中部ふるさと広域連合」を活用した徴収対策を平成10年4月からスタートさせた。

具体的には、広域連合に専門スタッフ組織を設置し、市町村から困難な案件の委託を受け、滞納処分の執行にあたっている。広域処理による徴収の効率化もさることながら、ある町で広域連合へ徴収を委託する旨の予告を行ったところ、7割以上の滞納者から納税の申し出があったという成果も報告されている。

このほか、広島県、香川県などでは、市町村が共同して滞納整理組合を組織し、地方税の滞納処分にあたっている。

 

一般的に団体規模別の地方税の徴収コストをみると、小規模の市町村になればなるほど大きくなっている。また、アンケート調査結果にもあるように、規模の小さな町村においては、滞納処分の執行が大きな課題となっている。今後の分権型社会に向けて、地方税徴収確保のため県や市町村が相互に協力し、広域的に専門的な職員を配置して滞納整理等にあたっていくことは極めて有効ではないかと考えられる。

 

 

 

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