そして、昭和56年度以降は所得割において超過課税を実施している団体はなくなり、均等割で超過課税を実施している団体も平成10年度で21団体となっている。
なお、平成9年7月の地方分権推進委員会第二次勧告においては、課税自主権を尊重する観点から「個人市町村民税については、住民自らが負担を決定する性格が強いこと、個人道府県民税には制限税率がないこととの均衡等を考慮し、その制限税率を廃止する。」とされ、平成10年度改正において、個人市町村民税の制限税率が廃止されている。
イ 法人住民税法人税割
市町村民税法人税割は、昭和26年度に創設された。当時の税率は、標準税率15.0%に対し、制限税率が16.0%であった。
昭和29年度には法人道府県民税(均等割、法人税割)が創設されたため、市町村民税法人税割の標準税率は7.5%(制限税率:9.0%)に引き下げられた。
昭和32年度の法人住民税法人税割の超過課税の実施状況をみると、都道府県が4団体、市町村が1,215団体であった。都道府県においては、うち3団体が地方財政再建団体であった。
その後、市町村民税法人税割については、超過課税の実施団体数が増加し、昭和40年度には、1,626団体が超過課税を実施していた。
昭和45年度と昭和49年度には、道府県民税法人税割を引き下げて、市町村民税法人税割を引き上げる措置がとられ、超過課税を実施している市町村は、昭和49年度には1,137団体と一旦は減少傾向をみせた。