そしてこの標準税率によらない場合に、標準税率を超える税率で課税することを一般に超過課税と呼んでいる。
昭和15年に制定された地方税法は昭和22年に改正されたが、昭和22年改正法において「標準賦課率」という概念が登場し、当時の第48条の4(原文カタカナ)においては、以下のとおり規定されている。
第48条の4 地租、家屋税又は営業税の賦課率が夫々地租、家屋税又は営業税の標準賦課率(地租に付ては百分の十二、家屋税については百分の一・五、営業税に付ては百分の七・五を謂ふ以下同じ)を超ゆるときは内務大臣の許可を受くべし
但し左に掲ぐる場合に於て賦課率が標準賦課率の一・二倍を超えざるときはこの限に在らず
一 災害応急費、災害復旧費、伝染病予防費及国営事業費負担金に充つる為借入れたる負債の元利償還の為費用を要するとき
二 災害応急又は復旧の為費用を要するとき
三 伝染病予防の為費用を要するとき
その後、昭和23年改正法では、第11条に明確に標準賦課率を規定しており、以下のような条文となった。
第11条(標準賦課総額及び標準賦課率)
標準賦課総額及び標準賦課率を定める税目については、地方団体は、その財政上特別の必要があると認める場合を除く外、その標準賦課総額及び標準賦課率をこえて課税してはならない。
昭和24年にはシャウプ勧告が出されたが、ここでは平衡交付金の算定方法として標準税率についての記述があるだけで、税制そのものとして標準税率を扱ったところは見受けられない。
そして昭和25年の現行地方税法を制定するにあたって、昭和23年法とシャウプ勧告を合わせたような条文となり、現在に至っている。
次に超過課税の沿革・経緯等を主な税目ごとにみることとする。