3]新制度の概要
法定外目的税を創設するにあたっては、まず地方団体が法定外目的税を課することができる旨の課税根拠となる規定を地方税法において設ける必要がある。
また、他の目的税と同様に使途を特定する必要があり、法定外目的税の使途については地方団体が条例で定めるべきことを法律上規定することになると考えられる。
地方分権推進計画では、法定外目的税の新設・変更の手続きについて、法定外普通税と同様に国の同意を要する事前協議制とすることとされており、使途の特定以外の規定については、基本的に法定外普通税と同様のものになると考えられる。
以下、法定外目的税としてどのような税を課税することができるかについて、使途の特定、同意の消極的要件などの観点から考察していきたい。
ア 使途の特定
法定外目的税については、その使途が特定されている点が法定外普通税と異なるところである。
目的税においては、税収の使途が何であるかは税の存在意義にかかわる事項であり、法定の目的税においてもそれぞれ使途を特定する規定が地方税法に定められている。
法定外目的税の場合は、その使途となる費用については当該地方団体の条例で定められることになり、地方団体は条例で定められた費用にのみ税収を充てることができることとすることが検討されている。
地方分権推進計画では「住民の受益と負担の関係が明確になり、また、課税の選択の幅を広げることにつながる」ことから法定外目的税の創設を図るとされており、必ずしも直接の受益関係ではないにしても、やはり税源と使途の間には何らかの関連があることが通常のあり方であろうと考えられる。