ただ、先程申しましたように、今までの日本の三セクというのはどこがおかしかったかと言いますと、いわゆるリスクアロケーションについてのしっかりした考えがなかったと。それから民間から、ある意味ではあってはならないのですけれども、『官』に対する期待があったと。これがもし今の第三セクターのフレームワークの中で払拭されれば、限りなくPFIに近い形での第三セクターというのは成り立ちうると思います。
特に市街地の開発等、建設省のガイドラインにあります第2類型ですね、これはある意味においては第三セクターに近い形になっている可能性があります。ただそのとき、今のご質問にもありましたけれども、一つにはリスクアロケーションを契約で縛るんだと。それから出資は本来での原則で縛るべきだと、私個人的には考えておりますけれども、そうではなかった場合にも、追加出資等においても契約で縛っている原則ははずせないという形にしておかないと、それも第三セクターの失敗を繰り返すことになりかねないということはあると思います。
ですから、その上において第三セクターと違う、違うものはいろいろ底辺にあるわけですけれども、だから例えばPFIはいいけれども第三セクターは悪いとか、そういう議論ではなくて、どういう形でのリスクアロケーションを正しく見て、管理を行っていくか、それを決めることが大事であって、類型が大事なのではないと思います。第三セクターかPFIかという議論ではなくて、むしろどういうアロケーションをしていくか、こちらの方が重要ではないかと思います。