それから契約までの期間について。「告示から契約まで、長期間かかると言われているが、どの部分に一番時間がかかるのか。その部分の改善はどうなっているのか。」と。これも先程申し上げましたように、やはり複雑になる、当事者がたくさん居る、リスクのある意味では押しつけ合い、この部分はおまえがリスクを持て、そのかわり金利を高くしてやる、あるいは負けてやる、そういうことの交渉の繰り返しですから、ある意味ではもっとも利益の相反する部分ですから、時間はかかる。あるいはプロジェクトの評価をするに当たっても、DBFO全部をやらなければいけないということですから特に時間がかかる。どうするかと言うと、やはり専門家に投げる、あるいはフォームを統一化する、こういう動きがよくございます。
それから、固定資産税等税制面での課題ということで書いて、東京都の方ですね、これは。民間がプロジェクトを推進する前に、かかってくる固定資産税がキャッシュフロー上マイナスに影響してくる、こういうご指摘で宜しゅうございますか?
『以前に別の場で専門の方のご説明を聞いたときに、例えば市庁舎とかそういったものを民間に委ねていった場合に、行政がそれを持っている分には税金がかからないものが、試算をしてみると固定資産税というものを一応シミュレーションしてみるとコストが内部化してくる。それが結局クリアできないのですよね。』
はい。現状ではご指摘の通りです。これはかかってしまいます。それを踏まえてなおかつファイナンスにするか、あるいはこの部分については税制の改正を伴う議論を起こすか、どちらかなんです。
『イギリスの場合はどうなんでしょうか?』
イギリスの場合は固定資産税は『レイツ』と呼ばれる地方税ですけれども、これは基本的にはかかっているはずです。
それからPFI推進上の問題。「PFI導入効果については、公的支出の軽減という耳障りのよい部分のみがクローズアップされているが、先行諸外国における導入・推進上の課題・問題点等を詳しくお聞かせいただきたい。」ということで。これは、私の方もちょっと抽象的なんですけれども、前半部分においてはおっしゃる通りでございまして、非常にこれもストレートな話ですけれども、やはり『官』に資金がないからということだけでは、なかなか民間を乗せるのは難しいというのは、実状としてあると思います。ですから、先程申し上げたのですけれども、来てどの部分のPFIであればうまく民間が乗っかってくれるかというのを考えるのは、逆に公的主体の方のお仕事になってくるのかなと思います。私も、逆に民間さんの方でも、現実にはこういう新しい分野については積極的に提案していかないと、なかなか公的主体、自治体さんからも相手がでてきませんよ、ということでお話はしているんですけれども。全体について最終的に決断をしていただくのは、自治体さんの方かなと思います。