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それで、今申し上げました『プロジェクトファイナンス』ですけれども、これは一般的に企業がお金を借りる場合には、『コーポレートファイナンス』(これは『プロジェクトファイナンス』に対立する概念ですけれども)。これは、企業がお金を借りて特定の事業に使う場合も、一般的な運転資金に使う場合もありますけれども、返すときの返済原資というのは特にひもはついておりません。ですから、プロジェクトでやる借入金を他のプロジェクトの収益で返しても構わないわけです。

返済に当たっての確約ということで、担保を取る場合もありますけれども、担保についても特定のプロジェクトにひもがういているわけではなくて、実際に担保を取る場合には工場だったり本社だったりするわけですけれども、それは全部にかかってくるということになります。これに対してプロジェクトカンパニーがやります『プロジェクトファイナンス』といいますのは、先程の番最初の5ページの図に戻りながらご覧いただきたいのですが、お金を返す事業をやるのがあくまでもプロジェクトカンパニーであって、コンソーシアムは出資をする、ただ出資の範囲でしか責任を負わないわけです。

従って返済の財源というのはどこにあるかというと、そのプロジェクトでプロジェクトカンパニーが上げる収益、実際に入ってくるお金、(つまり)キャッシュフローですけれども、そういったキャッシュフローが基本的にはすべてだというふうに言われております。ですから、銀行から出てくるキャッシュフローがいかに確実かというのを見分ける能力がないと難しい。キャッシュフローがすべてだと申し上げましたけれども、それ以外にいざというときのために担保も取ります。担保も取りますが、担保とするのはあくまでもプロジェクトの対象資産であって、これでスポンサー、コンサルティング会社、建設会社等が持っている他の資産、他の工場に担保を付けますというわけにはいかないのです。そういう制限があるが故に、逆に金利は高くなるけれども、自分たちのバランスシートはきれいなままでいられるし、リスクも切り離すことができるということになります。

ただ、この際に気をつけなければいけないのは、これは先程も申し上げましたけれども、民間と公的主体との間でもそうですけれども、プロジェクトファイナンスにあたっても、ではリスクのシェアというのをどこまでやるかというのが、非常に突っ込んだ議論を必要とすることになってきます。どこまでがスポンサーのリスクで、どこまでが銀行の持つリスクか、ということで。

例えば市庁舎等何らかの建設をするにあたっての完成リスク。これは、先程は民間が持つしかないと申し上げましたが、民間の中でもこれにおいてはスポンサーサイドで持って欲しいということになるだろうと。但し実際にオペレーションが始まってから、最終的にお金が返せなくなったときに、では追加出資がいるかということになってくると、これは最初に契約していれば別ですが、契約していなければ当然スポンサーは追加出資する義務はないわけですから、その場合には番その銀行にとってはよくない事例ですけれども、スポンサーに追加出資を頼んでも、スポンサーとしては義務がないから断ってきたということはあるわけです。

 

 

 

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