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それからちょっと跳ばしまして、第三セクター。19ページでございますけれども、これについても86年の民活法以降に第三セクターが設立されまして、その後のバブル崩壊等もありまして、中にはうまくいっていないケースもあるというのは皆様ご承知の通りでございますが、いろいろな機会に民間の方、あるいはパブリックセクターの方、それぞれが両サイドとも「第三セクターというものはもう難しいのではないでしょうか。」ということをおっしゃるケースがございます。

では、何がよくなかったのかといいますと、一つには時期も悪かったということもあるわけですが、第三セクターでやった場合に、では民間の方から見るといざとなったら『官』が助けてくれるという考えはあったでしょうし、逆に『官』の方からすると民間に任せておけば何とかなるだろうと。こういうことを言うと悪いんですけれども、お互いにもたれあっていたときがあると。プロジェクトを進めるに当たってのリスクがあるわけですけれども、そういうことでそのリスクで何となくもたれあっているうちに上に浮いていたと。こういう状態で、これが半分になってお互いが自立すればよかったんですけれども、いざ破綻してみると、「それではこの部分のリスクはどっちが持つんだ?」と言ってもはっきりしない。それでどちらも動けなくて金縛りになっているうちに状態がどんどん悪くなる、ということで破綻に至るケースが多いというふうに思います。

それとどうしてもPFIと第三セクターの比較のところで出ているのですけれども、ちょっと矛盾するような言い方になりますが、第三セクターは公共性を有する事業を一緒にやるんです、『官』も一緒にやるんですけれども、PFIは実は公共事業そのものなんですね。ただ、それを民間がやるんだよと。逆みたいに聞こえますけれども、PFIというのは民間でやる公共事業で、第三セクターは公共性を有する事業ということですから、(第三セクターの方が)もう少し範囲が広いわけです。そのときに採算性を十分に検討しないとやはり同じような問題が出てくるだろうということになりますから、ここにもありますけれども、収益性についてもやはり先程の有料(正式には有料ではないんですけれども)道路を造るときに、『影の料金』を作って実際には『官』が料金をを払うケースがPFIの場合あるわけですけれども、かつての第三セクターも基本的には独立採算だったと。ただ、その中でもそもそも公共事業に近いということで、収益性は低いケースが多かったということも言えると思います。

それから効率性。この部分も一概には言えないケースもありますけれども、PFIの場合には運営の方はすべて民間に任されてしまうわけですから、当然後からうまくいかなかったから追加出資して下さい、と言うことも、これは『官』の方でも「はいそうですか。」と言ってお金を出すはずもありませんから、そうなると民間の方は全部つぶれてしまう。ですから必死にならざるを得ないと。ですから、先程申しましたように、出資の点については今議論されている段階では、PFIの制度上『官』の出資が絶対だめだという話にはなってないのですけれども、これは個別の案件を進めるにあたっては、かなり考を要するところだろうなと思います。

 

 

 

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