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これは、いま申し上げました内容をそれぞれ時系列ごとに書いた状況でございまして、最初の黒丸がコンソーシアムによるプロジェクトカンパニーと公的主体との契約締結。それから建設段階では、「金融機関が融資をしてコンソーシアムが建設する」とありますけれども、現実に金融機関は、最初の段階からもうコンソーシアムにコミットしているというケースがほとんどでございます。それから操業段階は、これはプロジェクトによって違いますけれども、15年から20年、中には30年ぐらいのところもございます。この間にプロジェクトカンパニーは、これも後でご説明致しますけれども、主に公的主体や利用者からの利用料金としてお金を受け取って、それを金融機関への返済に充てる。あるいは返済の終わった後のさらに収益が上がった場合には、投資家あるいはコンソーシアムに配当し還元する。最後の段階ですべて金融機関からの借金を返し終わってあとに残ったものは公的主体に譲渡する。これで一段落ということになります。
それから、PFIのタイプでございますけれども、三つあると言われておりまして、一つ目は民間事業、独立採算でできるものです。一番いい例としては橋なんかがいいですね。橋と道路といえば、イギリスでは橋は昔から有料なんですけれども、高速道路はただなんです。そこはちょっと違うんですけれども、道路の方がなぜか2番目に入っておりまして、公共がサービスを購入するプロジェクトです。これはPFIの中でも非常に特徴的な部分なんですけれども、通常の場合ですとなかなか民間にはリスクがとれない、あるいは機動性が保てないといったようなプロジェクトを、工夫して実行する方法として考え出されたのがこの部分でございます。コンセプトとしては、いわゆる「民間からサービスを買うんだよ」、という発想でございまして、典型的な例としては、今の道路がございます。道路はただですから利用者からお金はとれません。そのかわり、車両が通る『影の料金』というのを設定いたしまして、通った車の台数に応じまして公的主体がお金を払うと、こういう概念でございます。ですから、これと同じようなものは、庁舎管理だとか刑務所なんかでも使えるのですが、この料金の設定を変えることによって、民間に経済性を与えてインセンティブを持たせることができるという部分でございます。イギリスにおいては、この2番目のプロジェクトが一番多いと言われております。
それから3番目は、ジョイントベンチャー方式ということで、民間と公共が共同でやる形態ということでございまして、これは後で説明します日本における第三セクターと少し似た形ではありますけれども、大きな違いとしては原則として公共は出資しない、補助金は出すけれども後のオペレーションは完全に民間でやってくれということ。オペレーションのリスクは民間が100パーセントとる、というところが違っております。
建設というのは、やはりこのジョイントベンチャーでも関係者間の利害調整がなかなか難しいケースもあるというふうに言われております。
それからPFIのしくみということでございます。この道路の方は先程申し上げましたように、これは一つの例ですけれども、例えば交通量によって、最初の頃はある意味では収入補償ということもありますので少し高い料金になっておりますし、一定以上の台数が通った場合にはそれ以上とりませんよと。それ以外では、いわゆる『飴と鞭』で、いいことがあればボーナスをあげるけれども、悪いことがあればペナルティを与えるということで、できるだけ民間のインセンティブを高めるような工夫がなされております。