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3 跡地活用の基本方針

 

京都市は、「京都市都心部小学校跡地活用審議会」(市民代表、市会議員、学識経験者、副市長で構成)を平成6年1月に設置し、跡地活用の基本方針について諮問した。同年8月には、同審議会から答申を受けた「都心部における小学校跡地の活用についての基本方針」を市の方針として決定した。

同基本方針においては、跡地活用の基本原則、個別の跡地活用計画の策定指針及び手順を定めており、現在、これに基づいて跡地活用を進めている。

 

(1) 跡地活用の基本原則

 

小学校跡地が21世紀に向けての豊かな都市資源として生かされるために、京都市基本構想や基本計画など市政の基本方針を踏まえると同時に、学校創立から閉校に至るまでの自治の実績や文化の蓄積、住民や卒業生の熱い思いを大切にしていくこととし、

・広域的視点…市全体の発展や都心地域の再生などに資する広域的な視野に立つ。

・長期的視点…市の長期的な計画に基づく活用を図るとともに、将来の需要にも備える。

・複合的視点…複合的活用、隣接地、周辺地域との一体的な活用等を図る。

の3つの視点にたって跡地活用を考えることを基本原則とする。

 

(2) 個別の跡地活用計画の策定指針

 

ア 調和のとれた活用

概ね次の3つの用途の均衡がとれた活用に努める。

・主として広域的なまちづくりのために活用する跡地

・主として身近なくらしのために活用する跡地

・主として将来の需要に備えるための跡地

 

イ 今後の都心地域の整備方向を踏まえた活用

・職住共存の都心地域再生のための活用

快適で潤いのある都心居住を推進するため、生活環境の整備、地域活動、緑化、防災機能等の充実を図る。また、地域の経済やコミュニティを支えてきた地場産業を支援し、人口の定着、増加を図るため、当該跡地だけでなく周辺地域への波及効果をも目指した活用を図る。

・文化首都づくりのための活用

子供のための活用を図るとともに、小学校を中心に蓄積された町衆の文化などを生かし、教育・文化・芸術の振興、伝統行事や芸能の保存伝承、生涯学習の推進等を図る。

・都市活力創造のための活用

市民や観光客がにぎわい、交流する拠点としての活用を図る。社会経済状況の変化に能動的に対応する中枢機能を整備するための活用を図る。

 

 

 

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