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(2) 他の目的別施設での新たな動き〜「老人いこいの家」からの発信

 

学校の余裕教室の転用を中心に述べてきたが、他の市民利用施設でも新たな動きが始まっている。ここでは、「老人いこいの家」、「子ども文化センター」での新たな動きを述べていくことにする。

川崎市の老人いこいの家は昭和47年より整備され、市全体では現在45施設となり、ほぼ中学校区に1館が完成している。これまでは、高齢者のための余暇活動という機能をになってきた。いま、一部の老人いこいの家では地域福祉の拠点としてミニデイケアなど、地域のボランティア、福祉施設、保健所の職員を巻き込んだ形での新たな活用が始まっている。余裕教室の転用はこのような流れを加速する。地域福祉の拠点へと地域資源としてのこのような動きは、目的別施設が市民と行政の協働作業により、新たなコミュニティ施設に変容していく可能性を示している。急速にすすむ高齢化のなか、人と人とが見守りあい助け合うという福祉コミュニティ創造に向けた歩みである。これまでの施設整備の流れに新たな潮が加わることとなった。

同じように、児童館である「子ども文化センター」でも、児童育成という機能を重視しながらも、それは地域のコミュニティ施設として使われ始めた。

生涯学習、高齢者、児童など、各施設の担ってきた機能を重視しながらも、市民と行政の協働作業により新たな施設利用が進められている。施設間ネットワークによる、新たなコミュニティ施策が実現に向けて動きはじめている。

 

 

 

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