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(2) 既存の都市インフラの新たな活用方策

 

都市の成長、住民のニーズの変化や価値観の多様化等に伴って、求められる都市インフラも時に応じて変化している。大都市におけるまちづくりを考えていく場合、必要でなくなった公共・公益施設などの都市インフラの機能を活用して、新たな都市インフラを整備していくことの重要性が特に高いと考えられる。そこで、この項では、神戸市における取組み事例に対する考察を踏まえて、検討を行うこととする。(取組みの詳細は各論を参照)

 

1] 取組みの現状

 

児童数の減少と阪神・淡路大震災による被害のため、閉校されることとなった北野小学校跡地について、都心部における土地の有効活用の観点から検討を行い、地元・業界団体等の意見を聞きながら、利用可能な校舎やグラウンドについて、神戸の歴史や文化をベースに、オリジナルなブランド(商品・サービス)を創って見せながら提供していく体験型工房及びバス専用駐車場として再整備し、神戸の地場産業、観光産業の振興を図ることとしている。

 

2] 今後の課題等

 

名古屋市や川崎市、京都市などにおいても、当面不要となった公共・公益施設の再活用事業が検討されているところである。既存の都市インフラの再活用は、大都市における公共施設整備を考える上で、全ての大都市に共通する重要な問題である。以下、その際に配意しておくべき点をいくつか挙げておくこととする。

 

○ 施設整備に当たって配意すべき点

 

公共施設に新たな機能を付加する場合、あるいは公共施設を別の機能を持つ施設に整備する場合、当初の施設構造が新たな施設整備の障害となる場合が見受けられる。社会の構造や住民のニーズは不変のものではない。従って、今後、公共施設を整備していくに当たっては、将来的に幅広い用途に対応できるような施設設計や、華美なものではなく、将来の予期されない使用に耐えうる堅実な施設整備が必要であろう。

また、地域の特性を活かしたまちの活性化が最終的な目的である以上、その地域ごとの歴史や文化を活かした施設整備、例えばまちなみ景観の観点からの保存、整備も検討されなければならない。

 

 

 

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