○衣装や道具のメンテナンスには多大な費用がかかるが、今の制度ではそういうところに国や自治体は補助できない。記録してビデオに撮るだけでのお金では済まなくなるだろう。市町村が保存会に交付している補助金は1万円がいいところで、洗濯代にもならないのが実態。
○ビデオを撮って出品してくる力があるところはまだいい方で、本来国が日本人の心のありようとして伝承してきた芸能というのは、今やそういうビデオを撮る力もないところに多い。
○伝承している人はいないが、ビデオやテープでは残っているというケースもある。都道府県や市町村ですでにビデオに収めているようなものも買い上げて編集して、ライブラリーに収めたらいいのではないか。
(3)鑑定委員会(仮称)の設置
○歴史的価値と芸能としての価値とは別なので、鑑定委員会には、学者、文化人、芸能に詳しい人などに入ってもらう必要がある。
○意味づけは、鑑定委員がその土地に行かないと、役場から来る資料だけではわからない。
○委員会の方からこういうものをきちんと形にしておくようにと提案できる道もつくっておくことが必要。
○都道府県レベルの地域文化財保存委員会の全体をどこかが舵取りをする必要がある。
(4)全国イベントの開催
○イベントを契機として地域に盛り上がりが期待できる。
○東京で全国大会をやれば、県人会挙げて応援に駆けつけて郷土意識にかられて盛り上がるだろう。
○地域芸能の魅力の一つは、寒い土地、風、空気の中で見る、ある種うらぶれた感じであり、全国発表大会でそういう魅力が伝わるかどうかは疑問。
○予算があるから大きなところでワッとやるのでなく、系譜等の解説を充実させたものにしてもらいたい。
○細切れでいろいろなものを次々とやるのではなく、一つのストーリーで貫き通さないと訴えるものがない。単なる観光だけになってしまう。
○このイベントに合わせる形で、祭りが簡素化されてショーになっていくとしたら大変危ないことである。
○時間的制約と伝統芸能が持っている良さとのバランスをどうやってとるのかが全国大会の課題である。
○第1回目はモデルとなるので、しっかりやってPRする必要がある。
○分野の異なるものを寄せ集めるのでなく、毎回テーマを絞って開催した方がいい。