○何か一つでもシンボリックなものを中心に据えて、それに従って街並みを調整していくような、歴史に裏打ちされたまちづくりができれば、結果として伝統文化や芸能を支えている職人の保持・技術の保存にもつながっていくのではないか。
○文化遺伝子がそこの土地にあるという場合にはその発掘や語り部の温存、応援という問題がある。一方で、輸入、交流によって持ち込まれた文化というものもある。各地がこれからこのような歴史遺産や伝統文化や伝統芸能を交流させていく場合にはどういうふうに考えたらいいのであろうか。
○交流という視点はこの事業にとって一つの柱になりうる。
○これから民族が持っている記憶の遺伝子や文化というものを扱おうとすれば、発掘方法や検証方法、あるいは評価の仕組みが必要になるのではないか。
(5)財政的支援の在り方
○ふるさと創生一億円という施策は、市町村にはじめて考える自由を与えたのではないか。
○一億円では、伊藤証信という哲学者や河上肇にゆかりのある無我苑をモチーフにして、哲学体験村を作り、そこに結構人が来ているというような例もある。すなわち1億円によって神話、伝説だけでなく、近代世界の特徴的な事件もとりあげられている。
○ハード整備のためにはいろいろな資金が準備されているが、「みんなで頑張ろう」というお金は出にくい。
○やる気を出すという仕事は最終的にゼロに終わる可能性もあるということを認識することが必要となる。