○最近の日本の学問の風潮も、地方に伝わる伝承、文化が大事だという方向に変わってきている。
○既に存在するものばかりでなく、神話、伝説を新しく甦らせる可能性もある。実際にそういう例もある。問題は誰が見つけるかである。
(3)保存・継承の方向性
○伝統芸能の保存・継承やふるさとをおこすということは、もう20世紀の間にしかできないのではないか。
○文化や伝統芸能には記憶の文化と記録の文化があるが、これからは記憶の文化の伝承が重要になってくるのではないか。
○祭りというのは、山車や囃子だけでなく、料理、衣装など総合的なものの集まりである。そういう連動型のお祭り文化の再生、保存も期待したい。
○我が国の周辺地域には、狩猟採集の縄文以来の文化、すばらしい芸術が残っている。その頂点が、沖縄とアイヌだが、アイヌは同化政策でそういう文化をつぶしてしまった。だから、沖縄については、重点的に国が補助をした方がいいと思う。
○1人で細々と続いているようなものをどう救うかというのも今後の課題である。
○各地のものをどこかが吸収することが、果たして伝統文化の新しいものになるのかならないのかという判断を、今問われているのではないか。
(4)伝統文化の活性化・地域の活性化の方向性
○囃子手が足りないということだが、踊るのは易しいということなので、カラオケでもいいのでみんなが慣れ親しむようにして、時々本物を見て楽しむというやり方もあるのではないか。保存だけでなく、活用するという視点が新しい文化を生むのではないか。
○ふるさと創生に当たるような文化的なミーム(文化遺伝子)を持って、全国を遊行したり横断したりするようなものがないと最終的には伝統文化というのは活性化しないのではないか。