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8. 効率テストに使用する情報が申請企業から提供されない場合(選択的地域振興計画=RSAなど)もある。こうした場合は、与えられた予測値に偏りがないかどうかをできるかぎり点検することが重要である。たとえば次の点を調べる。潜在的市場成長率は他の予測値に比べてどうか? 予測市場占有率は楽観的すぎるか? さらに、主要変量の代替的価値を使用して感応度分析を行う必要もある。

 

9. マクロ経済レベルではクラウディング・アウト1(1)が生ずるため、雇用(退職手当と雇用調整費も含む)と国際収支に対する直接的影響は効率テストに含めるべきではない。しかし、雇用への影響がたとえば都市や地域の活性化(追加性に関する説明を参照されたい)のような他の政策目標に影響を及ぼす見込みがある場合は、事前評価の他の部分でそうした影響も検討すべきである。

 

10. しかし、供給サイドの影響も考慮に入れる必要がある。そうした影響は、プログラムの間接的影響として、たとえば活性化プログラムにおけるトレーニングや技術流出として起こることもある。また、たとえば(下で述べるように)中小企業や輸出業者向けの情報提供プログラムのように、市場の失敗の是正を目的としたプログラムの特定目的によることもある。そうした便益を事前評価に導入する場合は、それらを単に記述するだけではなく、そうした便益がどのようにして、なぜ生ずるかという点(またプロジェクトがなければ、なぜ生じないかという点)を明示すべきである。そうした便益の規模と重要性に関する評価も行い、そうした評価を裏づける適切な証明データも提示すべきである。地域及び都市開発プログラムの場合は、通常何らかの間接的影響が生ずると予想されるので、そうした間接的な供給サイドの影響も事前評価に導入すべきである。

 

11. 通常、効率性の評価では、少なくとも8パーセントの実質割引率を採用すべきである。長期的プログラムの場合、中央省庁では。その割引率で許容可能な失敗率を低くできるかどうかを経験から判断できる。

 

市場の失敗と政府介入

12. 一般的に、市場は最適の資源配分手段を提供する。この点が、民間市場への政府介入に反対する根拠を生むものと思われる。しかし、市場の失敗が実証されれば、後述するいくつかの条件の下で、それが政府介入の根拠となる。

 

13. 事前評価で政府介入の根拠を示す場合は、市場の失敗による影響のみを説明するのではなく、そうした市場の失敗の根源的原因を示すことが重要である。そうした根源的原因による結果(たとえば競争不足や市場の沈滞)や市場の失敗部門(たとえばアウトプット市場や資本市場)を明らかにすれば、貴重な情報を提供することになるが、それだけでは政府介入の根拠とはならない。根源的原因を見落とすと、政策対応も不適切なものとなる。市場の失敗の原因については、本別添の添付資料2において検討する。

 

1 クラウディング・アウトが起こるのは、たとえば、公共部門の支出レベルは増大するが、他の経済変量は調整でき(特に金利と為替レート)、民間部門の支出レベルを低下させる場合である。

 

 

 

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